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Journal #38

日々の暮らしに気づきをもたらしてくれる
ウェックとともにある日常

2016.12 Photography & Text: 加藤 孝司

雑貨屋さんなどの店頭でみるウェックは、たくさんの容器が何段かに積み重なって置かれていることが多い。これはほとんどのウェックキャニスターが専用のガラス蓋とプラスチックの蓋についたくぼみにより、同じ種類の容器であれば積み重ねて置くことができるからだ。
食器であれば積み重ねが出来るのは珍しいことではないが、スタッキングできるのは、普段の収納を考えれば大きなメリットがある。ましてや昔の人からしてみれば、収納という点において画期的なことだったのかもしれない。そんな風に、日常の中でかつての人びとの暮らしに思いを馳せるきっかけを与えてくれるのも、長い時間作り続けられてきた歴史あるウェックならではのことだろう。

ウェックの瓶の蓋は使い方にあわせて、ガラス、コルク、ウッド、プラスチック製があり、それぞれすべてのガラス容器のサイズに対応したものが用意されている。蓋をして食品の一時保存はもちろん、専用のガラス蓋とオレンジ色のゴム製パッキンを使い、密閉し、煮沸することで一定期間常温保存が可能な保存食品を作ることができる。

保存食品作りには、まずは使用する瓶、ガラス蓋、ゴムパッキン、クリップを洗剤でよく洗い、しっかり煮沸消毒して準備をしておく。容器に料理を詰めたら、ガラス蓋の周囲のふちにオレンジ色のゴム製パッキンをはめ、容器と蓋を専用の金属製クリップで固定する。大きめの鍋でウェックキャニスターが完全に被る量のたっぷりのお湯に浸けて煮沸。オレンジ色のパッキンとクリップの効果で、蓋をしたまま瓶内部の空気と蒸気を外に逃がし真空状態にしながら、外側からのお湯や空気の逆流を防ぎ、脱気と滅菌を一工程ですることができる。その際鍋の内底にワイヤーラックかふきんを敷くと加熱時の振動を防いでくれる。

熱湯からウェックを取り出す時には専用のグラスリフターがあると便利だ。煮沸後、完全に密閉されているかどうかは、オレンジ色のパッキンのタブが下を向いていて、煮沸後、クリップを取っても簡単には蓋が外れなくなるので、一目瞭然。煮沸し鍋から出した容器は、容器内の温度がしっかり下がれば、鍋で加熱する際に使っていたクリップは取り外しても大丈夫。もし失敗したらすぐに食べてしまおう。
正しく煮沸保存をすれば、ピクルスなどで約半年、煮込み料理やソースで約3ヶ月もの間、キャニスターに入れたままで冷暗所での常温保存が可能。乳製品などの痛みやすい食材を使ったスープなどの料理は、念のため冷蔵保存がおすすめだ。

毎日の暮らしにウェックを取り入れてシンプルに暮らしてみたい。
イチゴのエンボスがトレードマークのウェックキャニスターは、1900年にドイツに創設されたWECK社のガラス容器。家庭に普通にある調理器具で、手軽に保存食品を作ることができる容器として開発され、デイリーなキッチンツールとして、今もドイツ国内はもとより世界中で愛され続けている。
ガラス本来の自然な色合い、シンプルなフォルム。ウェックがもつ質実剛健さには機能性を重んじるドイツ製品らしさが溢れている。


このように実際に暮らしの中で使っていると、ウェックはさまざまな気づきを与えてくれる。
まず、きちんと料理をしようと思わせてくれること。日々の忙しい暮らしの中では、ついつい料理をする手間を惜しんでしまうもの。お気に入りの器を手に入れたことで、少しゆとりをもって食事を楽しんだり、いつもより少し丁寧に料理をしてみようと思うことはよくあることだ。

ウェックはこの瓶を使って鍋で煮沸して保存食品をつくることはもちろん、あらかじめ調理した料理をいれる容器として使えば、テーブルにそのままサーブする器として使うことができる。
ガラスゆえに中に入れた料理は見えるので、ウェックに美しく盛り付けることでテーブルの上が華やかに楽しくなる。食事には味とともに、見た目も重要だから、これは一石二鳥。見た目も美味しい彩り豊かな料理を作ることで、色もの野菜がたくさん食べられて栄養バランスも良くなり、しいては食卓の風景が豊かになる。


保存食品作り以外にも、調味料やスパイス、お米など食品の保存、ピクルスやマリネ、果実酒づくり、デスクまわりの小物やアクセサリーの収納など、多様な使い方ができるのもウェックの持ち味。現在用途に合わせて使うことができる31種類がラインナップされている(2017年1月一型追加)。

キッチンから食卓、仕事まわりのデスクまで、アイデア次第で使い方は多種多様。日常の暮らしのシーンに溶け込む、デイリーユースの道具としての飾り気のない素朴な佇まいで毎日の風景に自然になじんでくれる。
一番小さなXSサイズ(Mold Shape 25ml)は特にユニーク。バターやシロップなどを入れて食卓に、石ころに見たてたお菓子を入れておけばおやつの時間が待ち遠しくなる。

考えてみれば個人的に普段使っているカメラとレンズがドイツ製、身の回りにある家具や雑貨にもドイツ製が多い。そんなドイツ製品とウェックを並べてみると無垢な素材感には共通点があるように思う。
なぜドイツデザインが好きかといえば、まずドイツが優れたもの作りの達人が多い職人=マイスターの国であること。そして機能性を研ぎすましたところで生まれたデザインがとにかくカッコいいこと。ウェックにも温かみや優しさだけではない、機能から導かれた造形的な美しさを感じるのはそのせいかもしれない。

そんな風にウェックとともに暮らして気づくのが、特別なものはいらない、当たり前なものがありさえすれば軽やかに楽しく日々を楽しくすごせるというということ。
普通の暮らしにあったらいいもの。そのひとつがウェックキャニスターであるといえるだろう。

WECK公式ホームページ:http://www.weck.jp/

2016.12 Journal #38
「日々の暮らしに気づきをもたらしてくれるウェックとともにある日常」

Photography & Text:

加藤 孝司

ジャーナリスト

http://form-design.jugem.jp/

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