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Journal #35

空間の余白を楽しむための
サイドテーブル

2016.08 Photography & Text: 加藤 孝司

小さなテーブルがあることで得られる日常の中にあるちょっとした豊かさ。お気に入りのドリンクをいれたカップやグラス、読みかけの本や、それがあることで心を癒してくれるオブジェクト。大きなテーブルよりもその小ささゆえに置けるものは限られるが、軽量で移動がしやすく、省スペースに置くことができ、どこに置いても邪魔にならない。そんな存在だからこそ得られる自由な感覚。暮らしのスタイルと、空間の中にある余白を見つけるための、ちょっとした物の置き場所は、暮らしの中にある豊かな風景を垣間みさせてくれる。
見慣れた風景の中に新しい気づきをもたらしてくれる、そんな存在としてのサイドテーブルを生活の中に取り入れてみたい。

DUENDEの「TUBE&ROD」と「TRE」はどちらも丸い天板を一本の支柱で支える構造をもったサイドテーブルだ。一見似たような構造だが、コンセプトもデザインも異なり、それぞれ違う使い方をすることができる。共通点はどちらもシンプル&ミニマル、どんなテイストのインテリアとも相性がいいこと。

TUBE&RODは、大小ふたつの円形のプレートが丸いシェイプの1本のロッドで連結されたサイドテーブル。
真横から見るとテーブルを支える底部の楕円から斜めのロッド突き出し、薄い紙のような天板が宙に浮いているようにも見える。使わないときはミニマルなオブジェのような佇まいを持っている。デザイン的には天板から突き出たロッドがデザイン上のアクセントという以上に、このテーブルに絶妙なバランス感とともに心地よい「緊張感」をもたらしている。

TREは文字通り、三本の角材が構成する脚部の構造に特徴があるサイドテーブルである。長さの異なる3本の角材をそれを束ねる金属のパーツで段違いに垂直に組み合わせることで、絶妙なバランスを保ちながら天板面を支えている。それを構成する角材の無骨さと構造の面白さがあるテーブルだ。
TREをデザインしたのは建築家の芦沢啓治氏。建築の構造を想起させるこのテーブルは、優れた建築の構造がもつミニマルな美しさ、そして力強さを兼ね備えている。
なんといってもこのテーブルの見どころは、小さな金属のパーツひとつでテーブルの足を固定するその構造だ。3本の角材がしっかりと床を捉え、そのうちの一本がテーブルの支柱としてすくっと伸び天板を支える。そこには鍛え上げられ、ぜい肉が削ぎ落とされたアスリートの脚、あるい古代の彫像がもつ調和と均衡の美しさ、また官能的な気配さえも感じることができる。そこにのせられる丸いテーブルトップが全体のデザインをキリリと引き締め、その上に物を置くことで佇まいとしての安定感を増していく。
部屋の中に置くことでテーブルとしての用途とともに、デザインというものがもつ機能性と美しさを堪能することができるサイドテーブルである。


ソフィスティケイトな美意識をもったTUBE&RODと、構造がもつ力強さを感じさせるTRE。そのふたつのテーブルは天板の大きさも異っている。
TUBE & RODは少し背が高く天板が小さめなので省スペースで使うことにも適している。例えば、ソファの横や、ソファと窓際の狭いスペースに置いて、飲み物やリモコンを置いたりサイドテーブルとして使うのにちょうどよい。そして背が高めなので玄関先に置いて、キーの束や出かける際に忘れては困るものなどを置いておくスペースとしても重宝する。


天板が広めのTREはメインのテーブルの横に置いて文字通り大きなテーブルのセカンドテーブルとして使うことに適しているように思う。ホームパーティーの時にはスパイス類をまとめて置いたり、調理道具を置く台として使っても重宝する。それと携帯電話を置いておけば、テーブルの上の飲み物や食べ物をこぼしても安心だ。もちろん語らいと寛ぎの時間のコーヒーテーブルとして使ってもいい。
それと安定感があるのでソファの横ではPCでネットサーフをするテーブルとしても使うことができる。また、読書途中の本や、ポータブルオーディオを置くテーブルとして、趣味や憩いの時間に静かに寄り添ってくれる。

サイドテーブルはメインのテーブルの脇役としてだけではなく、アイデア次第で主役級のさまざまな使い方ができる。インテリア選びの際にメインのテーブルや椅子にこだわるのもいいが、快適な空間づくりのためのインテリアのコーディネートにはサイドテーブル選びが意外にも肝になるように思う。
シンプルでフレキシブル。いつもの空間に置くだけで風景が変わる。そんなオブジェとしての佇まいも兼ね備えたDUENDEのふたつのサイドテーブルを日常の中に取り入れて日々を楽しんでみたい。

TRE

¥15,000+税、¥17,000+税(oil stain finished)
color : Black・White

TUBE&ROD

¥16,000+税、¥17,000+税(oil stain finished)
color : Black・White

2016.08 Journal #35
「空間の余白を楽しむためのサイドテーブル」

Photography & Text:

加藤 孝司

ジャーナリスト

http://form-design.jugem.jp/

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