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Journal #21

自分らしいティータイムを楽しむためのロンドンポタリー

2015.04 Photography & Text : 加藤孝司

お気に入りの道具で紅茶を。

イギリスの伝統的なスタイルのティーウェアを手がけるロンドンポタリーは、ロンドンを拠点にする家族的な雰囲気の陶磁器メーカー。1981年に陶芸家のデビッド・バーチ氏により創業以来、17世紀から続くイギリスのトラディショナルな製法でつくられる、オリジナルデザインの愛らしいフォルムのティーポットを中心に、イギリス国内の大手メーカーのテーブルウェアの製作を手がけるなど、ライフスタイルに敏感な世界中の人びとに親しまれているレーベルだ。日本でもロンドンポタリーのティーポットは、憧れの暮らしの道具として多くのファンを獲得している。

サードウェーブコーヒーなど、カルチャーとしてのコーヒーを楽しむライフスタイルが一般的になった現代。街角にはおしゃれなコーヒースタンドや、産地にこだわった厳選されたプレミアムなコーヒー豆と、自家焙煎によるスペシャリティコーヒーをのむことができるお店など、日本中どこの街にいっても豊かな風味をもったコーヒーを飲んで気分をリフレッシュすることができるようになった。

GLOBE 2cup

そんな何度目かのコーヒーブームを横目に、ぼくは昔からコーヒーより、どちらかといえば紅茶派だ。市販のティーバックで手軽に飲むファストスタイルの紅茶も好きだし、茶葉選びからこだわって、じっくり時間をかけてティーポットでいれる紅茶も好きだ。
紅茶はコーヒーとは異なり、気つけの一杯や、気分をリフレッシュするというよりも、リラックスさせてくれる効果が高いとぼくは思っている。朝食とともに楽しむ一杯、疲れて家に帰ったときに飲むカップ・オブ・ティー。仕事が長引いたときに深夜にのむ一杯の紅茶は、心も体も休まりこたえられないおいしさだ。もちろん時には自家焙煎の喫茶店に行って、コーヒーの香りを楽しむこともあるのだけれど。

紅茶にまつわるもうひとつのこだわりは、お気に入りの道具で楽しむこと。
かの英国紳士たちは、カップ&ソーサーで紅茶をたしなむことが定番だそうだが、ぼくはもっとカジュアルに、マグカップで日常的に紅茶を楽しむスタイル。最近のお気に入りのカップは広島のデザイナー、YUSUKE OHATAがデザインした小振りのマグカップと、北欧のグラスの形を写した取っ手のないconcrete craftのボーンチャイナのスタッキングカップ。
そのほかにもティータイムの定番イギリス生まれのティータオルもイギリス風のトラディショナルな柄のものではなくSwimsuit Departmentで手に入れた手描きのポップなイラストが入ったものを愛用している。’60年代のアメリカのヒッピームーブメントを想起させてくれるフリーハンドで描いた素朴なタッチのイラストはDIY精神を感じさせ、心を自由に解放してくれる。ティータオルはイギリス版の台ふきんのようなもの。食器を磨いたりテーブルクロスとしても使える優れものだ。日本のふきんよりだいぶ大きめなつくりで用途を限定せずにオールマイティに使うことができこのティータオルはざっくりとした素材とつくりで汚れたらすぐ洗えるところも気に入っている。

二人で紅茶を。

普段一人で飲む紅茶も、休日の朝には大切な誰かとゆったりとした時間のなかで香り高い一杯を楽しみたい。そんなとき二杯分の紅茶をいれることのできるロンドンポタリーなら、二人で飲むたっぷりの二杯分の紅茶をいれることができる。
お湯を沸かしているあいだに、茶葉を用意する。茶葉はティースプーンに軽く二杯、あらかじめ軽く温めておいたティーポットへ。ぼくはアレッシィのジャスパー・モリソンがデザインしたティースプーンに少し多めにすくう。少し小さめのティースプーンは適量の茶葉を量るものさしでもあるのだ。
カップにお湯を注いで温めつつ、沸騰させたお湯を茶葉の上からティーポットに一気に注ぐ。茶葉がポットの中で勢い良く泳ぎ、ほのかな香りとともに、注いだお湯が少しずつ色づきはじめるのが見えたら、ポットにフタをして3分ほど待つ。
カップのなかでは、花が開くようにゆっくりと茶葉が開き、注いだお湯がほんのりと赤く色づいた香り高い液体に変化するのを想像しながらしばしときをすごす。茶こしをカップのふちにかけ、ティーポットのなかの、茶葉の旨味が凝縮した紅茶の最後の一滴までをじっくりカップに注ぐ。このゆとりある時間がかけがえのない豊かな時間を演出してくれるのだとぼくは思っている。

味わいと奥行きのあるロッキンガム・ブラウンのカラーを選んだ「FARMHOUSE (TM)FILTER TEAPOT」は、機能的なステンレス製のティーストレーナーがセットされたタイプ。
ファームハウスシリーズは、ロンドンポタリーの製品のなかでも、あたたかみのある、どこか懐かしいフォルムが美しいロンドンポタリーのオリジナルデザインのティーポット。
あたりまえな日常のなかで紅茶を楽しむイギリスの人びとの暮らしのなかから生まれてきたロンドンポタリー。目の細かな専用のティーストレーナー付きティーポットなら、細かな茶葉もしっかりと受けとめながら美味しい紅茶を抽出してくれる。飲んだあとの茶葉の始末も楽でいい。
ストレートナーはバネ式の取っ手の反発力を利用して、ポットの口のふちにストレートナーを固定できる。ポットのフタのストッパーも兼ねているので、カップにお茶を注ぐ際にフタがはずれにくくなる構造も。フタから飛び出して見えるラベルのデザインもどこかキュートだ。繊細に仕上げられたことが分かるやわらかな丸みをおびた注ぎ口は湯切れがよいデザインで、液だれもほとんどないのが使っていて気持ちがいい。

用意されたさまざまなカラーから、自分だけのお気に入りの色を選べるのもロンドンポタリーのティーポットの楽しみのひとつ。なかでもこのロッキンガム・ブラウンは、1700年代後半、イギリスのロッキンガム候領にあった製陶工場で生まれた、鉛釉にマンガンを加えることで生まれる独特の深みと透明感のあるイギリスの焼物の伝統色といわれているもの。

ターコイズカラーを選んだ、丸っこいフォルムがかわいいスタンダードタイプのティーポット「GLOBE TEAPOT」では、お気に入りの茶こしを選ぶのもティータイムを楽しむためのひとつのポイント。ぼくは吉祥寺のショップ「サンク」で手に入れた、バウハウスのデザインみたいな機能的なフォルムのシンプルな茶こしを愛用している。
茶こしもいまではさまざまなタイプがあり、カップのふちにかけるものから、ティーバッグタイプまで、さまざまありお気に入りのアイテム選びも楽しい。
また海外のハーブ系のティーバッグなら、紐の端に付いたラベルのデザインもかわいいものが多いから、ポットの蓋からラベルが垂れている様も絵になる。もちろんストレートナー付きのティーポットなら、紅茶だけでなく、ハーブティーや温かい緑茶も日常的に手軽に楽しむことができる。

もうひとつのカルチャーとしての紅茶。

ティータイムを極上なものにしてくれるお供にもこだわりたい。紅茶の香りを楽しむシンプルな時間を豊かにしてくれるスイーツは手づくりのものでもいいし、お気に入りのベーカリーで買ったスコーンなんかも香り高い紅茶にはよく合う。

ぼくにとってもうひとつティータイムに欠かすことができないのが、そのときどきで気になる本たち。最近読み返しているのは、J・D・サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」(1951年)と、リチャード・バックが書いた寓話的な物語「かもめのジョナサン」(1970年)だ。どちらも発表されると大きな話題となり世界中でベストセラーになった、今でも若い世代を中心に読み継がれている伝説的な書物だ。

個人的には紅茶も現代のコーヒームーブメントと同じように、個人のライフタイルを表明するカルチャーのひとつだと考えている。伝統的でフォークロアなスタイルを長い時間のなかでつちかってきながら、自分らしく自由に紅茶を楽しむスタイルも許容しているのも、紅茶がひとつのカルチャーであることのあかしだろう。

質実剛健なつくりで土ものならではの優しさとクラフトのような佇まいも併せ持っているロンドンポタリーのティーポットは使い込むほどに愛着と味わいがますデイリーユースにちょうどよい暮らしの道具だ。そして、温かい紅茶は肌寒い冬に体を温めてくれるものとしてはもちろん、これからの暑い季節にも身も心も優しく解きほぐしてくれる飲み物である。日常を心穏やかにしてくれるティータイムをロンドンポタリーとともに楽しんでみたい。

GLOBE 2cup

¥2,800 + 税

カラー:Bora Blue
サイズ:W180 × D110 × H120mm
重量:390g
素材:炻器

FARMHOUSE 2cup

¥3,800 + 税

カラー:Brown
サイズ:W165 × D120 × H135mm
重量:520g
素材:炻器

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2015.04 Journal #21

自分らしいティータイムを楽しむためのロンドンポタリー

Photography & Text :

加藤 孝司

ジャーナリスト

http://form-design.jugem.jp/

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