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Journal #05

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2014.01 Interview & Text:水島 七恵

イチゴ柄がトレードマークのドイツのWECK社のガラスキャニスター
その可愛らしいロゴマークと容器のかたちは、暮らしを愛する世界中の人たちに親しまれています。
ここ日本でも様々な場所でイチゴ柄を愛用している人の姿を見かけますが、調理面においては、
意外にもどれだけ多機能に使えるのか、その奥深さを知らない人も実は多いようです。
そんな人たちのために2012年、出版されたのが『WECK COOKING』。
フードコーディネーターの冷水希三子さんのアイデアによって、
保存瓶としての機能を最大限に生かしたレシピが多数掲載されています。
デザイン性に優れた保存容器は、調理器具としても優秀だったー。
実際使うことでその実感を持った冷水さんに、WECKの魅力を伺いました。

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その見た目の可愛しさは、
実用性に裏付けされたもの

── WECKはいつから使われていたのでしょうか?

実は『WECK COOKING』がきっかけなのです。普段私は調理器具を選ぶとき、シンプルなデザインで飽きないこと、そして機能性を重視しています。そういうなかでWECKは、見た目の可愛さが先立き、これまで自分から手にすることがなかったんです。でも『WECK COOKING』のお話をいただいて、実際に使ってみるとそれはもう便利で。最初は簡単なイチゴジャムから作ってみたのですが、WECKとはとても理にかなった調理器具だということに気がつきました。

── 理にかなっているとは、具体的にどういう部分において感じましたか?

WECKは保存、料理、収納、そのすべてに活用できるんです。なかでも、他のガラスキャニスターとの大きな違いは、煮沸殺菌&密閉ができること。鍋で瓶を煮沸させて密閉すれば食材の長期保存が可能です。そもそも果物、野菜、肉などは食物本体や外の空気に含まれている雑菌によって、自然と腐敗が進行します。でもWECKの容器を別売りのクリップとパッキンで封をしてそのまま煮沸すれば容器内の空気が抜けるので、腐敗が防止されます。この仕組みがあるから、例えばジャムやソースであれば、約半年ぐらい保存できるんですよ。

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── きちんと煮沸殺菌&密閉ができているか、慣れないうちはちょっと不安になりませんでしたか?

WECKは密閉状態が一目瞭然なんです。きちんと脱気、密閉できると専用クリップを取っても蓋が外れなくなります。もしも腐敗によって臭気が出た場合は、ゴムパッキンの蓋が自然と持ち上がるんですよ。それは雑菌が瓶の中に二酸化炭素を発生させ、それが外の気圧と同じになることで、蓋が自然と押し上げられる仕組みなんです。本当に良くできていますよね。だから腐ったものを間違って食べてしまうこともありません。それにWECKの場合、食べ物の匂い移りがないので、残り物が多いときは小さい瓶に小分けして冷蔵庫にいっぱい入れて貯蔵できます。あとはお菓子作りにも便利です。WECKガラスは耐熱温度差80℃のガラスなので、この温度差内だったらオーブンの使用可。ケーキも焼けます。ジャムの瓶を煮沸するように、ケーキの瓶も煮沸させることで約半年くらいは長持ちしますし、これでいつでも手作りケーキが食べられます。当然、水漏れの心配も要らないので、例えば親しい友人への手みやげにもぴったり。無理に食べ切らなくても良い、冷凍しなくても良い、そして人にも喜ばれる……。WECKを使い始めてから、普段料理をしていてもそういう安心感が持てるようになりました。

── すごいですね。効率的な手法と製品……、瓶詰め加工食品の研究と開発をちゃんと重ねている感じが、その可愛らしいロゴマークと容器の形とは裏腹に、誤解を恐れず言うと、WECKは男前なブランドですね。

そうなんです。WECKはちょっと実験や研究感がありますよね。だから男性はWECKにはまりやすいと思います。実際に一度使ってみて楽しくて、それ以降ずっと手放せないという方が多いですね。WECKは重ね置きができるので、そうやって収納すると、より研究感が出るというか(笑)、道具として私自身の日常にも普通に馴染んでくれたような感じがします。あと、これは使い方としてちょっと怒られてしまいそうですが、灯油をいれるポンプありますよね。冬になるとそのポンプの置き場所に困ってしまうんですけど、私の場合、そのポンプをWECKの<STRAIGHT>シリーズに入れています。入れ物としてちょういいんですよ。

── 面白い使い方されていますね。でもWECKは好きな雑貨入れたり、色々と工夫して収納としても愛用する女性はとても多いですよね。

そうなんです。WECKは瓶に重さがあるから、軽いものをなかにいれても安定してちょうど良いんです。そういう楽しみもWECKならではですよね。

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食は人と人の心を繋いでいく

── 日常のなかで冷水さんにとってのWECKの定番メニューありますか?

私は野菜を作っている関西の友達からよく食材を送ってもらっているんですが、その野菜がどうしても余ってしまうときは自家製ピクルスを作って、それをよくソースにしたりしています。これがトマトの場合は水煮にして保存しています。あとWECKは口径が大きいサイズを選ぶと手も十分に突っ込みやすいので、発酵食品、例えば塩麹を保存するにも便利です。今の季節であれば、きのこと栗のオイル煮やカリフラワーとみょうがのマリネなどを作っていますね。秋の食材の芳醇な香りを楽しめますよ。ほかにドリンクの場合は、水と乾燥昆布を入れた、昆布水をよく作ります。

── 東日本大震災などを経て、食に対してもひとりひとり意識が変わった部分があると思います。例えば非常時など食料備蓄を考えたときに、保存食への知識を深めることはとても大切なことだと感じました。と同時に、ただそのときのために作れるようにしておくのではなく、日常的にたのしく美味しく保存して、食べることができたらより良いですよね。WECKを通していろんな場面で食の豊かさを実感できそうです。

WECKはドイツ生まれのものですが、ドイツは風土的に長い冬には食べ物が手に入りにくかったようで、ピクルスやザワークラウトといった野菜などの保存食が発達してきたという歴史がありますよね。そういう背景もあって、向こうの人にとっては、保存食は豊かな日常食。だから今でも野菜や果物が豊作の時期にみんなWECKを買い求めて、売り切れていることもあるそうです。日本にも独自の保存食は発展してきましたが、確かにこれからの時代、保存食を味方につけると良いなと思います。最近、私自身便利だなと思ったのは、WECKに色々詰めて密閉処理をしておくと、突然お客様が自宅に来た時も、蓋をあけてそのまま瓶ごとテーブルに乗せれば、“いろんな種類のご飯プレート”が一瞬にして出来てしまうということ。WECKは見た目が良いので、テーブルに置いてもちょうどよく映えますし、これならお客様に変に気遣いさせることもありません。そういうことができるのも、やっぱりWECKの魅力だと思います。

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── そんなWECKとともに食卓を飾る器へのこだわりも、冷水さんのキッチンを拝見しながらとても感じています。

器は料理の服のような存在ですから、器への気持ちの高揚は大切です。私は野菜の料理が大好きなので、野菜の自然の色が映える色のお皿、器は自然と多くなります。外国を旅したときに心惹かれたアンティークの大皿とか、あちこちで見つけては買っています。面白いことに人は器によって、自分の想像の味を作ってしまうことがあるんですよね。例えば洋食器に入れるか和食器に入れるか、それだけでも味の雰囲気ががらりと変わる。視覚ってすごいです。だから私は同じ料理でもその日の気持ちや、気候で器を変えたりすることを楽しんでいます。

── 最後に、フードコーディネーターとして冷水さんがいつも大切にされていることについてぜひ聞かせてください。

素材の良さを壊さないことを大切にしていきたいと思っています。同じ素材でも、生産者や産地が違えば味は変わる。だからWECKで煮沸密閉をするときも、やはりできる限り素材は良いものに限ります。そしてそんな生産者と食べる人のあいだを繋ぐのが、私の役割だと思っています。生産者と食べる人、そこをどう繋いでいけるだろう。そのためには生産者とどれだけ直に触れ合えるかどうかも大切で。生産者の気持ちを受け取ることで、私自身、作るときの気持ちが変わりますから。食は生きるために必要ですが、同時に人と人の心を繋ぐもの。その想いを忘れず、これからもいろんなアプローチで料理やお菓子を作っていきたいと思います。

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冷水 希三子

料理にまつわるコーディネート、スタイリング、レシピ制作を中心に、書籍、雑誌、広告などで活動中。出版物に『ONE PLATE OF SEASONS』(アノニマスタジオ)、『おいしい七変化 小麦粉』、『WECK COOKING』(ともに京阪神エルマガジン社)などがある。
http://kimiko-hiyamizu.com

2014.01 Journal #05「使う人のアイデアで、可能性広がる保存容器」

Photography:

吉次 史成

フォトグラファー

http://yoshitsugufuminari.com/

Interview & Text:

水島 七恵

エディター

http://www.mninm.com/

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